コリベビ日記8 〜重大問題浮上!〜(2002/9月号)
”6ヶ月になったあたしたち・・・”
”なんか、もんだいあり、らしーわよ。”
  ベラ:21、5kg   グレタ:20、0kg 
 
 暑い夏ももう少し・・・赤とんぼや、スズ虫の声に秋の気配を感じる、今日この頃。
 コリベビ達は生まれて6ヶ月が過ぎようとしていた。ノアかあさんも、子育てに専念していた頃を懐かしくも思う、そんな余裕がでてきたかに見えるそんな日々・・・。
 なんと重大な問題が浮上してきた!
”車に乗れない”のである。思えば、最初にベラとグレタが車に乗ったのは生後2ヶ月足らずの時。15分くらい離れた母の家に遊びに行った時のことだ。何も知らない子犬だし・・・と心配もしていなかったのだが、車が動きだした瞬間、啼く、鳴く、泣く・・・すごいのである。ウンチ、おしっこももらして大変だった。そんなことがあったのを、なぜか僕の飼い主は忘れていた(こんなに大事なことなのに本当にボケた飼い主だ!)。

 ある時、そろそろ大きくなってきたし〜公園デビューでも〜♪なんて気楽に考えて車に乗せようとしたら・・・乗らない!、乗せたら泣きわめく・・・という事態が生じたのであった。これは大変!と、それから「車特訓」が始まった。休みの日、帰りの早い日にはふたりを乗せて近くの5分くらいの公園につれていく・・・そこで走り回って、楽しい!ということをわかってもらい、車大好きッ子になる・・・というのが単純な僕の飼い主のもくろみであった。しかし、事がそう、上手く行っては世の中成り立たない、というもので、さらに新たな問題が生じた。それは、ひとやよその犬を見ると吠える!・・・のである。犬だから吠えるなんて当たり前だ、と思われるひともいるかもしれないけれど、我が家のコリー理想像というのは、フレンドリーでなければならないのだそうだ。犬として生まれたなら、人間社会に順応して生きていくべし、というのが僕の飼い主の考え方で、それは、万が一、自分がどうにかなってしまった時に、よその環境でも暮らしていけるように・・・という願いもこめられているらしい。 まあ、それはよいとして、ベラとグレタ、リードをつけて歩いても左右行ったり来たり、落ちつかない。すれ違うひとや犬をみては警戒して吠えたり、逃げようとしたり・・・。僕の飼い主は途方にくれてしまった。僕やノアでは経験のないことだった。僕は小さい時からこんな風だし、ノアは初めての散歩のときから、喜んでよそのひとの後にくっついていってしまうような子だったからだ。
 この違いは「時期」の違いによるのだろう。犬には「社会化期」とよばれる一定期間があって、だいたい生後3〜14週間めをこうよぶ。この時期は外界のあらゆる刺激・・・知らないひと、よその犬や動物、初めての環境〜洗濯機やドライヤーなど日常生活にいたるまで、ありとあらゆるもの・・・に慣れさせる絶好の機会で、これを過ぎると警戒心がでてきて、新しいものを受け入れにくくなる、最悪、恐怖感から攻撃性がでてきたり、一生問題をひきずってしまう可能性もある、非常に大事なときなのである。僕の飼い主は、学校の授業でも生徒にさんざんこのことを話して、その重要性をうたっていたはずなのに、一体これはどういうこと???自分の犬となると、どこか特別視しちゃうのかねえ、僕とノアが何の問題もなかったから、安心していたのかもしれない。

 とにかく、「慣れっ子特訓」がスタートした。朝早く起きて、小学生の通学時間にあわせてふたりの散歩をする、道行く人々を静かに眺める、もうちょっと進んでよその場所でよそのひとに触ってもらう・・・などなど。この特訓には僕らも参加した。ベラとグレタふたり一緒だと、パニックになったとき、どちらも収拾がつかなくなってしまうから・・・とのことで、僕&グレタ、ノア&ベラのコンビで散歩に行くことになった。近所のひとは、我が家のコリーはトライ(黒っぽいの)とブルー(白っぽいの)ひとつづついる・・・と思っていたから、急にふたつづつになって、細胞分裂でもしたか!と驚いていただろう。
”おうちのお庭は、ぜ〜んぜん、へーきなんだけどねえ〜!”
 そんな苦労の甲斐あって、ふたりともすこしずつ慣れてきた。グレタは自分からひょいっと車に乗るようになった。ふたりともちょっとくらいの遠出は平気になった。警戒心の強いベラも、よそのひとに、そろそろと自分から尾を振って寄っていくようになった。この姿を目にした時は涙がでるほど嬉しかったよ。ホントに・・・! まだまだ、びっくりして吠えちゃうかもしれないけど、がんばるから、皆様どうぞよろしくおねがいします!
”なんだか私のむすめたち、いろいろ御迷惑おかけしてるみたい。おそれいります・・・”
                  ・・・ノア
”僕の娘なんだ。イイ娘にならないわけがない! なあ?!”
          ”・・・・・おとーちゃんのむしゅめだから、しんぱいなんじゃない!!!”